写真関連のニュースと写真ギャラリー,そして文化人類学に関する記事を掲載しています。


by okphex
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

タグ:文章執筆 ( 3 ) タグの人気記事

文章作法。

故あって、毎日文章を書くことに追われていますが、日頃書き慣れていないとなかなかトピックを見つけたり、文章の構成に苦労するものですね。文面を行きつ戻りつしながら、細かい手直しを加えている間に、結局何が書きたかったんだっけー、と迷路に迷い込んでしまうこともしばしばです。

どの本だったか、丸谷才一氏が文章を書く際の心得を述べていました。文章を書く前に、ワンセンテンス、つまり書き始めから読点までを頭の中で練り上げてから、一気に書くべし、と言うのです。実際にやってみると、容易なことではありませんが、確かに頭の中でまとまった文章を構成する訓練にはなりますね。

何はともあれ、文章訓練は「量稽古」だそうです。思考することと書く行為の隔たりを縮めるためには、とにかく書いて、頭の中の考えを文字化する癖を付ける必要があるそうです。やはり文章を書くというのは、長い訓練を要する特殊な技術なんですねー。
[PR]
by okphex | 2010-06-29 23:26 | News-そのほか

「書く」工夫。

僕は昨年の8月まで、大学院で専攻している文化人類学の現地調査(フィールドワーク)のために、研究対象としているフィリピン共和国のマニラ首都圏やセブ島周辺に滞在していました。といっても、日本で仕事を抱えている都合上、文化人類学のフィールドワークで一般的に行われているような、現地に1年以上べったりと貼り付く調査ができる訳もなく、日本とフィリピンの往復をくり返すといった形を取らざるを得ませんでした。

それでも何とか、調査期間と定めた1年半の間に、不十分とはいえある程度の情報や資料を収集しました。現在は一本の研究成果にまとめるために、こうした資料の整理を進めています。

資料整理の一環として、現地で得た幾つかの主要な事例を書き下すという作業を行っているのですが、フィールドノートに記録しているとはいえ、現地で見聞きしたものをつぶさに記述し、分析するのはなかなか骨が折れる作業です。

フィールドノートを一言一句清書したり、膨大なインタビューの音声を文字化しようとするのですが、目の前に積み上がった資料の分量を見ただけでも、やる気がたちまち喪失していました…。

ところが、僕の窮状を見かねた指導教官のアドバイスで、急に筆が進むようになりました。

そのアドバイスとは…、

1.書き下す時にフィールドノートは見ない。重要な事例なら必ず頭に残っているはず。記憶違いを恐れず、何が印象に残ったのか、その時どのような情景だったのかを、思い出せる限り全て文字にする。

2.通常の本文は、1.に示した、事実の記述として用い、併せて”この時僕はこう思った”とか”別の人はこのことについてこんな事を言っていた”、”この状況からは、こんな事が言えるのではないだろうか”といったような、本文である記述の部分について、別の角度から検討したり、分析を加えた文章を、インデント、あるいはタブを使って、本文とは分離した形で記述する。

(※)上記の記述方法を図式化すれば、下記のようになります。
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□←本文(事例の記述)

□□□□□□□□
□□□□□□□□←インデントされた行(事例の分析)

□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□←本文(事例の記述)

3.こうした核となる事例を幾つか書いてみて、それぞれの事例がどのように関係しているのかを見つけ出す。この段階で、正確に事実確認が必要な部分に限って、フィールドノートやインタビューの音声データを参照にする。

といったことです。上記の情報は、日常生活を送る上であまり役立つような技術ではないかも知れませんが、人文学系の研究に勤しんでおられる学生さんや、記事やプレゼン資料などを執筆するために日夜資料と文章に格闘しておられる方に少しでもお役に立てればと思い、書き連ねてみました。
[PR]
by okphex | 2010-01-27 10:45 | 人類学・人文科学

文章と写真。

大学の論文指導セミナーに出席しました。僕もそろそろ調査データをまとめて論文を一部でも書き進めていてしかるべきなのですが、法人設立などの慌ただしさで遅々として作業が進まず、今回はおとなしく先輩方の発表を聴講してました。

内容は、現在博士論文を執筆している院生が1人10分程度全体の構想を話して、指導教官が予め提出してあった論文の一部と発表内容を踏まえてコメントするというもの。

指導する教官側のコメントをまとめると、論文として一貫性のある文章とは、少なくとも以下の条件を満たしている必要があるそうです。
1.全ての章、節などの構成要素と、そこに使われている事例が、全体の主題へと、垂直的に繋がっていること。
2.それぞれの部分(章、節など)も、それぞれが有機的に結びつくという水平的な繋がりも持っていること。
3.全体像を説明してから、そのより詳細な内容を議論すること。
などでした。

面白いことに、これらは文章を使わない写真の取り方にもしっかり当てはまった原則でもあります。
例えば1.は、「何気ない日常での喜びを表す姿」や「被写体の人生の歩みを表している顔」などの主題を、プリント上に現れる写真の各要素が説明することが重要で、それ以外の要素が入ってしまうとごちゃごちゃしている、あるいは無駄が多いと鑑賞者に思われる可能性があります。
2.もまた構図の問題で、例えば「雨の降っている様子」を表現したい場合、まず「降雨状況を説明するために濡れた道路を大きく映し出す」ことが考えられます。→また、「傘を持っている人を画面に入れることで、雨の中でもファッションを重視している状況を示す」といったように、それぞれの要素が独特の意味合いを帯び合う作用を持たせることが視線の動きを、撮影者が意図したように創り出す為に重要です。
3.は、ズームレンズを使って最大倍率で撮影したした中でも、周囲の様子が分かるようにするために、背景の面積を大きく取り上げる、などが考えられます。

文章も写真も、人間の知恵の結晶ですね。
[PR]
by okphex | 2009-10-01 23:37 | News-そのほか