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by okphex
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夢を語ることの意味。

昨日は山下健一さんという方の講演会に参加してきました。
山下さんは家族と共にヨットで日本からアラスカ、さらにメキシコ、オセアニアを経由して再び日本へ、という太平洋一周航海を3年2ヶ月かけて達成した経歴を持っています。

ロッククライミング好きが高じて山岳地域の施設管理人をしていた山下さんが、家族と共に広島・廿日市を出港したのは2000年6月のこと。そう思い立った理由は、山下さんが幼い頃より思い描いていた、自然の雄大さとそこに生きる人々が共存するアラスカに行ってみたい!という個人的な夢を果たすためもありましたが、もう一つ、山下さんの妻と子供達に、人間社会の決まり事が通用しない生の自然体験させたい、と考えたこともあったそうです。そのため、多くの冒険家が行うような単身での冒険ではなく、家族と共に旅することを選択したのだそうです。

ヨットで自由に大海原を移動する人々が、太平洋の珊瑚礁に囲まれた島に集う「千人の移動村」の様子や、あるいはアラスカに到着した際に、現地の教育関係者が学校教育を受けられるように奔走してくれた出来事など、ここには書ききれないほどの数多くのエピソードを披露して下さいました。

講演を通じて「夢を追い続けること」の大切さを山下さんは訴えておられました。僕は山下さんが、ただ単に自分のしたいことを達成したことで「夢を実現した」と誇っているのではなく、自分を支えてくれた家族や協力者を通じて、夢を追い続けることがいかに大事であるかを述べていたことに感銘を受けました。

例えばアラスカで山下さんの子供達が地元の学校に受け入れられたエピソードが披露された時、僕は最初「自由な国だからそんなことができるんでしょう。日本の学校では無理に決まってるよ」と考えていました。ところが、山下さん達が出港する際に、子供達が通っていた学校は、3年後に子供達が復学した時、学習進度に遅れが生じないよう、課題の出し方や出席の方法を工夫してくれていたというのです。また、アラスカの学校が、子供達を受け入れるのに必要な書類を日本の教育委員会に申請したところ、すぐにそれらの書類を揃えてくれたのだそうです。山下さんの行くところにたまたま親切な人がいたのではなく、山下さんが想いを行動で示したしたことで、周囲の人々が立場や距離を越えて、支えとなってくれたのでしょう。

僕自身しばしば、現状の社会状況や制度の不備をあげつらって、「こんなことだから僕が自由に好きなことが出来ないんだ」と自分が行動を起こさない責任を外部に押しつけることがあります。しかし山下さんの講演を聴いていると、夢を語り続けることで、「家族で太平洋横断」という突拍子もないような願いでも必ず手を差し伸べてくれる人がいるのだと言うことを知りました。

「どうせできっこない」とやりたいことを諦めたり、周囲の不平や不満を言うことは簡単ですが、それでは周囲は動いてくれません。やはり自分自身がはっきりと意志を述べて、行動してみることが大事ですね。案外事前に思っていたほど困難ではなかったり、驚くほど周囲が後押ししてくれたりするものです。
いつまでも尻の重さを周りのせいにしてボヤボヤとしている場合じゃないですね。僕もしたいことを言葉に出して、行動せねば!
by okphex | 2009-09-19 21:21 | News-そのほか