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写真関連のニュースと写真ギャラリー,そして文化人類学に関する記事を掲載しています。


by okphex
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広島土砂災害における写真洗浄活動に関連したお知らせです。

僕の母校である基町高校の7月11日(土)開催の文化祭にて、これまでの写真洗浄活動に関する報告を行うことになりました。

活動報告は文化祭と同時開催する同校同窓会のイベント、「桐文祭」の一環として行います。西棟4階のギャラリースペースに、報告に関するパネル、資料の展示コーナーを設置すると共に、11時40分〜12時10分頃(予定)には僕自身が活動についての発表を行います。

文化祭は14時頃まで一般公開されています。文化祭に参加される方で、興味と時間がおありの方は、お運びいただけると幸いです。

前述の活動報告の通り、災害復興は未だ継続中という状況です。今回の報告が、少しでも多くの方に、写真洗浄の事について知っていただき、被災写真の洗浄に繋がっていけばと思っています。

なお、僕は同校で撮影の仕事に携わっており、当日も、文化祭の撮影の合間に活動報告を行うという状況です。そのため、会場では満足に質疑応答ができない可能性もあります。ご質問などは後日メールなどで承りますので、なにとぞご了承ください。


# by okphex | 2015-07-05 00:33 | 広島土砂災害

広島土砂災害における写真洗浄活動についてのご報告です。

本日、災害ボランティアのスタッフの方を通じて、被災写真を数点お預かりしました。ご依頼戴いたご家庭は、被災以来、写真アルバム数冊と写真館で撮影した台紙入り写真3点を保管していたということです。被災以来今日まで、被害を受けた自宅の再建に追われて、荷物の整理が手つかずのままとなっていたようです。

台紙入りの写真は、30年ほど前のお宮参りと思われる赤ちゃんと、七五三を祝う子供達が写っていました。
残念なことに赤ちゃんの写真の方は、破損の度合いがひどく、ほぼ修復不能な状態でした。一方、七五三の写真の方は、顔の部分の損傷が少なく、洗浄やレタッチでなんとか、保存に足る写真として残せそうな感触を持ちました。

もうすぐ一年が経とうというのに、台紙からは、散々洗浄過程で悩まされた、「あの匂い」としか表現のしようがないような臭気が漂っており、未だに腐敗が進行していることを伺わせます。

被災地では表面的には土砂やがれきが取り除かれ、少しずつ災害の傷跡が補修されつつあります。しかし被災された方にとって、災害は未だ現在進行の状態であることを痛感しました。今も生活再建に追われて、写真の整理にまで手が回らない方が依然おられるとも伺いました。今後も引き続き、呼びかけを継続していきたいと思います。


# by okphex | 2015-07-05 00:07 | 広島土砂災害
2014年8月に発生した広島土砂災害における、写真洗浄活動に関連したご報告です。
 
本日(6月7日)、広島文教女子大学附属高校放送部の制作による、写真洗浄活動を題材とした映像作品が、NHK杯全国放送コンテスト広島大会において3位入賞を果たしました。本作品は7月の全国大会にも出品されるということです。
 
文教高校の生徒さんは、災害発生後から、百数十人規模で、可部地区の被災状況を聞き取り調査したり、私たちが行ってきた写真洗浄活動に積極的に協力してくれました。多くの写真を極めて短時間の間に洗浄し、破損を最小限に食い止めることができた背景には、文教高校の生徒さん、先生方の惜しみないご助力がありました。
 
僕も仕事の合間を縫って、会場で文教高校の映像作品を拝見することができました。先生方から間接的に伺っていた生徒さんの取り組みが、これほどの熱意を持って行われていたのだと分かり、画面を見ながら胸が熱くなりました。 
 
一連の活動を放送部のみなさんが映像作品としてまとめてくれたおかげで、被災から復旧に至る推移、被災された方々の証言、そして写真洗浄活動の実際が、リアルタイムの記録として残ることになりました。聞けば、文教高校の放送部は、これまでドキュメント映像作品を製作したことがほとんどなかったとか…。まさに手探り状態で、これほどの作品を作り上げた努力に頭が下がりました。文教高校の生徒の皆さん、先生方、そして特に放送部の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして深く感謝申し挙げます。
 
さて、現在の活動状況です。新規の写真洗浄依頼は休止していますが、その代わりに写真洗浄活動に関する報告の機会を何度か頂きました。昨年12月には出雲で、今年3月には尾道で報告を行い、来月7月11日には広島市立基町高校で報告を予定しています。
 
実際の活動だけでなく、こうした報告もまた、重要な役目であると思い、依頼があれば積極的に引き受けるようにしています。報告を通じて、傷んだ写真をお持ちの方に情報が伝わるかも知れないし、写真を保存する大切さを、多くの人に知ってもらえると考えるからです。
 
今後も継続的に報告を続けていきます。今回も文字ばかりの、読みにくい報告で申し訳ありませんでした。そんな拙文を最後まで読んで下さり、感謝申し上げます。

# by okphex | 2015-06-07 22:35 | 広島土砂災害
広島土砂災害の写真洗浄活動に関する、定期報告です。

僕や広島写真師会に依頼を頂いていた写真の洗浄に関しては、12月で一旦目途が付きました。

その後読売新聞の記者の方から、警察署に拾得物として保管されている写真が多数残っており、それらは保管期限が切れたら順次破棄されることになる、と伺いました。
そこで1月の終わりに安佐南警察署を訪問して、現在の写真の保管状況と、残った写真を当方で引き取ることは可能かを相談してみました。


担当者の方のお話しによると、確かに現在拾得物として保管している写真その他遺留品に関しては、保管期限が切れると順次破棄予定とのことでした。
その一方で、持ち主不明とは言え、やはり所有者の同意を得ないまま第三者に写真を引き渡すことはできない、ということでした。
ただ警察でも持ち主の特定に努力を払っており、大半の写真は持ち主に返却できたそうです。以前は5000枚ほど残っていた写真は、現在は約800枚を残すのみとなっている、とのことでした。
写真の特定には、写真に写っていた家並み、人物、学校などの施設を手がかりとして、該当区域を一軒一軒あたる、ということまでしたそうです。
この辺りはさすがに警察の組織力と捜査力だなぁ、と感心しました。

そのため現在残っている写真の大半は、もはや捜索の手がかりが残っていないような写真だということでした。
このように、警察の方もかなりの労力と人手を割いて、写真の洗浄、返還をされたようです。

今後警察の方に写真洗浄の相談があった場合には、すぐに連絡したいとのお申し出を頂きました。いつでも対応できるように、機材を待機しているのが現況です。

何らかの状況が生じれば、今後も随時ご報告します。

# by okphex | 2015-02-08 16:11 | 広島土砂災害
新たな一年が始まりました。どうか今年もよろしくお願いします。
昨年から展開してきた、広島土砂災害における写真洗浄活動の定期報告です。

公民館を会場とした洗浄活動は11月でいったん終了し、現在は随時受け付けという形で行っています。

また、年が明けた1月5日に、写真洗浄を依頼してくださった方からお手紙を頂きました。
そこで、ご本人の了解を頂いた上で、活動に参加してくださった方への報告も兼ねて、本文を抜粋し掲載します。
なお、個人名などは改変しております。また、ディスプレイ上で読みやすいように、文面に適宜改行などを加えています。ご了承ください。

〜〜〜〜(手紙本文ここから)〜〜〜〜
この度の土砂災害に際しまして、たくさんの写真をきれいに洗浄していただき、ありがとうございました。残りの写真を十二月二十八日に文教高校放送部の代表の生徒さんから受け取りました。

八月二十日午前三時頃、凄まじい雨音と雷鳴で目が覚めた時には、我が家はすでに床上浸水していました。大切なアルバムが水でぬれてしまうと思い、一階に置いていたアルバムを階段の途中まで上げました。しかし想像を絶する土石流が無惨にも我が家をのみ込み、アルバムも流されているのでは…と半ばあきらめていました。

十月二十六日、家の解体の日、奇跡的にアルバムが見付かったのですが、水が中まで入り込み、持って帰っても処分しかないのかなと思いながらページごとにちぎって乾かしていたところ、○○さんから明日写真の洗浄をしてくださるとの話をお聞きしました。一家庭二百枚だったのに、すごくたくさんあり大変な作業だったと思って申し訳なく思っています。

お願いした写真は、わが子の幼い頃の写真ばかりでした。その二人の子は、もう成人し、あの幼い頃のあどけない笑顔は、写真でしか見ることができないので、私にとってはこれらの写真は、子育ての大切な思い出です。洗浄していただいたおかげで、その写真が少しでも形となって残せ、かけがえのない思い出が土石流とともになくならなくてすんだのは、とてもありがたく感謝しています。本当にありがとうございました。

もうすぐ大寒。一年で一番寒い頃となります。インフルエンザも流行しています。どうかお身体を大切になさってください。
〜〜〜〜(手紙本文ここまで)〜〜〜〜

前述の通り、現在も写真洗浄活動は、随時受け付けという形で継続しています。
http://www.hiroshimanoshashinkan.com/senjo/index.html
土砂災害で被害に遭った写真をお持ちの方が身近におられれば、是非ともお声がけ頂ければと思います。

また、安佐南警察署には、現在も拾得物として多くの写真が保管されていますが、これらの写真は保管期限が切れると、順次処分される可能性があるそうです。
もし土砂に流されて、写真の所在が分からくなっている方がおられれば、早急に安佐南警察署に確認をされることをお勧めします。

今後も活動報告を継続していきたいと思います。
# by okphex | 2015-01-06 13:57 | 広島土砂災害