写真関連のニュースと写真ギャラリー,そして文化人類学に関する記事を掲載しています。


by okphex
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タグ:フィリピン ( 33 ) タグの人気記事

フィリピンの選挙制度。

本日はフィリピン研究の報告会に参加してきました。

論題は先日の大統領選に関することで、特にパーティーリスト(Party List)という、日本の比例選挙に似た制度の内容とその効果について論じていました。

選挙制度は僕自身関心があるないようだったのですが、これまであまり集中して勉強することがなかったので、大変面白い発表でした。

今回の大統領選挙は、不正防止と迅速な集計のために、初めて本格的に電子投票を導入しました。ところが、フィリピンでは国政選挙から地方の町長まで、複数の規模の選挙を一挙に行うため、これまでもなかなか記入が大変だったようなのです。それが、今回の電子投票から、投票方式が記名式から選択式になったために、一つの選挙用紙に膨大な数の候補者が記載されることになりました。その結果として 、今回の投票用紙は、スケッチブックの画用紙のような巨大なものとなりました。

それを、投票者自身がファックスのような投票機にかけるのですが、巨大なシートを挿入する際にトラブルが続発したそうです。それで、見るに見かねた係員や他の投票者が、シートの挿入を助ける場面が続出しました。候補者の氏名が丸見えになった状態で…。これじゃあ秘密選挙の意味がほとんどないですね。

以前の選挙では、投票用紙に書かれた紙を係員が一枚一枚読み上げて、それを壁に書き出していました。それを選挙監視人や見物人が、意図的な候補者の読み替えなどの不正が起きないかどうか確認していたのだそうです。人海戦術の、極めてアナログな手法ですが、却ってこの方法の方が投票の信頼性は高いかも知れませんね。
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by okphex | 2010-07-28 23:09 | 人類学・人文科学

日本の暑さの暴力性。

19日は宮島で挙式の撮影のお手伝い。
前日の天気予報では雨だったのですが、この日はいい方向に天気予報が外れ、快晴となりました。

しかし初夏の快晴も考えもので、その暑さと言ったら尋常ではありません。
撮影スタッフ、ビデオカメラマンなど、みな滝のような汗を流していました。

それでも襦袢を幾重にも羽織った上に、布団を頭から被っているに等しい、白無垢姿の花嫁さんは一番大変だったでしょうね。しかし、炎天下の中での撮影中も決して笑顔を絶やさない花嫁さんの姿は清々しさを感じさせるものでした。

僕は真夏のフィリピンにも滞在したことがありますが、暑さの質はフィリピンと日本で明らかに異なるような気がします。フィリピンの暑さは湿気の膜にまとわりつかれたような感覚があって、これはこれで不快指数が高まりますが、直射日光も湿気の膜に遮られるのか、それほど日差しの強さを感じることはありません。

ところが日本では、直射日光は、まさに真っ直ぐに肌に突き刺さって来るかのような感覚があります。”衝撃”と表現した方が適切な場合すらあります。
この刺さってくる痛みが、体温気温の上昇以上に身体に響いてきて、倒れそうになってしまいます。
湿気の膜がない分、人体に直射日光がダイレクトに届くのでしょうか…。

フィリピンでは、正装として「バロンタガログ」という、薄手の上衣を羽織ります。そこで日本でも、いよいよスーツとネクタイ以外の正装を考えた方が良いのかも知れませんね。
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by okphex | 2010-06-19 23:28 | News-そのほか

フィリピンの子ども達。

本日、大学院で面識のある先生から、フィリピンについて関心を持っているので話を聞きたい旨の要望を頂き、僕が知っている限りの内容を簡単ですがレクチャーさせて頂きました。

フィリピンの状況、問題については、さまざまな視点が考えられますが、その先生は特に「フィリピンの子ども達」について、特に強い関心を持っているとのこと。とても大事なところに関心を持っておられるのだな-、と感心しました。

僕が知っているところでは、NPO法人のICAN(アイキャン)が、フィリピンで様々な苦難に直面している子ども達の支援活動を行っているので、この団体について紹介させて頂きました。
現在フィリピンでは多くの子ども達が犯罪に巻き込まれたり、貧困に直面しています。これらはフィリピンの社会問題として単純化できる問題ではなく、さまざまな要素が絡み合っています。特に日本は、フィリピンとの間に経済的な格差構造を維持していたり、人身問題などの問題に深く関連しています。

これらの事実を調べていくと、今回の大学院の先生の関心や、NPOの活動は、極めて重要であることが分かります。

僕も自分自身で何ができるのか、情報提供だけでなく、自ら考え、実行していきたいと思いました。
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by okphex | 2010-06-16 19:22 | 人類学・人文科学
プランテーション・ベイは、フィリピン・セブ市近郊のマクタン島という場所の南部にあるホテルです。主には様々なプール、マリンスポーツの設備が整っています。本日は随分散歩しましたが、夕刻の美しさが印象的でした。
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by okphex | 2010-05-19 22:46 | ギャラリー

セブに到着。

無事セブ市近郊のマクタン島に到着し、「プランテーション・ベイ」というホテルに到着しました。暫くは「プランテーション・ベイ」に滞在し、期間中にセブ市の見学に赴く予定です。
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by okphex | 2010-05-18 23:38 | ギャラリー

再会。

遠く離れた地域に住む友人から、来週後半に会おうとの誘いが。文化人類学での、フィールドワーク中に知り合った方なのに、これほど長く、深い付き合いになるとは思っても見ませんでした。
文化人類学が、まさしく調査を通じて、少なくとも調査者本人の人生に大きな影響を与える学問であることが分かります。
こうした出会い、思考が学問として練り上げられることも驚きですが、まずは学問を通じて知り合った人々との繋がりを大事にしたいですね。
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by okphex | 2010-05-14 23:51 | News-そのほか

大統領選。

日本ではあまり報じられていませんが、現在フィリピンは大統領選の真っ最中です。
9年続いたアロヨ政権以降初めての政権交代ということで、これまであまり政治的には動きの少なかったフィリピンが大きく動いています。

大統領として最有力視されているのは、上院議員のベニグノ・アキノ氏です。
この名前に思い当たる方も多いと思います。彼はかつてマルコス政権下で大統領候補と目されながらも、公衆の面前で暗殺されたベニグノ・アキノ氏の息子です。その後「ピープル・パワー」と呼ばれる市民の一斉蜂起によって、独裁的な政治支配を行っていたマルコス政権は短時間で崩壊、マルコス大統領夫妻がハワイに亡命後、現在のアキノ候補の母である、コラソン・アキノ氏が大統領に就任しました。

現在のアロヨ政権は、経済的な低迷と、政治的な腐敗によって、国民から強い非難を浴びています。
そんなときにクリーンなイメージのアキノ上院議員が登場したというのは、どことなく彼の父や母の軌跡をなぞっているようで、とても興味深いですね。

本当にアキノ候補が逃げ切るのか、そして今後の東南アジア情勢はどのように動くのか、選挙の行方がとても気になります。
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by okphex | 2010-05-10 23:56 | 人類学・人文科学

政治における”男臭さ”

現在サイデルという政治学者が書いた、"Capital, Coercion, and Crime"という本を読んでいます。
"Capital, Coercion, and Crime"
サイデルは、フィリピンの地方で広く見られる、大土地所有者や政治家らが、時には暴力や威圧といった手段を用いつつ、その政治的権力を行使していく政治形態を、”ボシズム(bossism)”と名付けて、その構造を分析しています。
”ボシズム”を採用している社会に住む民衆には、単なる貧富の差よりも、どれだけ”強い”庇護者(ボス)の傘下に収まるかが、大きな問題となります。強いボスなら自分たちもさまざまな利益を引き出すことができますが、逆に弱いボスだと、利権が根こそぎ奪われてしまいかねないためです。

サイデルは、ボス同士の力関係を決定する要素として、端的に直接的な暴力と威圧を挙げています。ボス同士は、しばしば激しい縄張り争いを繰り広げながら、互いの影響力を拡大しようとしてます。
このように、サイデルの描くフィリピン地方政治は、まさに日本における”切った張った”のヤクザの世界のようです。しかし、こうしたサイデルの描く構図を考察するに際しては、アメリカの政治、文化人類学者に良く見受けられるような、西欧型民主主義政体を理想とし、それ以外の政治形態を、民主政治の不完全な形態と見なす、西欧中心主義的な観点がしばしば忍び込んでいる可能性があることを認識する必要があります。彼らの主張の中立性、客観性には、一定の留保が必要でしょう。

こうした点に配慮をようするとしても、僕自身は”ボシズム”という概念には非常に興味を持っています。この世界に生きる地方権力者達は、極めて”男臭い”価値観、行動原理を隠そうともしていないからです。世界の趨勢が、男臭い価値観を拒否し、性全般の前景化を忌避する方向性に向かっているのとは対照的な、「泥臭い」振る舞いのあり方には、なぜか大変興味を引かれてしまいます。
僕のこれまでのフィリピン研究の蓄積が、何とかフィリピン社会の”男らしさ”の価値観を解明する手掛かりとならないかなー、と思案中です。
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by okphex | 2010-05-03 23:37 | 人類学・人文科学
本日、NPO法人のICAN(アイキャン)事務局から電話を頂きました。

4月に広島市内で活動報告会を行うので、良かったらご出席ください、とのこと。

ICANは、正式名称を「アジア日本相互支援交流センター」といい、アジア、特にフィリピンにおいて貧困に苦しむ子供達を支援することを主な目的として設立された団体です。
昨年(2009年)、マニラを襲った台風被害の義援金を、この団体経由で送付したことから、以降も機関誌の送付など継続して連絡を頂いていました。

4月4日(日)と、10日(土)の二日間に分けて、報告会が行われるそうです。
フィリピンの現状や、NPO活動の展開をお知りになりたい方は、ぜひ。
詳細はICAN事務局info@ican.or.jpまでお問い合わせください。
僕も10日(土)の報告会に出席する予定です。
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by okphex | 2010-03-31 20:23 | 人類学・人文科学
フィリピン南部、ミンダナオ島のマギンダナオ州の状況が混迷の度合いを深めています。

これまでもミンダナオ州では、イスラム教を奉じる過激派組織と国軍との衝突や、地元政治家と中央政府の対立が頻発するなど、治安は良好とは言えない状況が続いていました。
11月23日に起こった、同州知事選の立候補者とその親族ら46人が武装勢力によって殺害された事件によって、事態は一気に緊迫の度合いを高めました。

アロヨ大統領が、この殺害事件に、同州知事を務めるなど実質的にこの地を支配するアンパトワン一族が事件に関与しているとして、一族の代表者らの拘束を命じたのです。

しかし、アンパトワン側は、2000人ともされる私兵を抱えており、現州知事らを拘束した国軍と私兵との間で激しい銃撃戦が生じました。
その後の家宅捜索で、敷地内から数百丁の火器と、数十万発の実弾が押収されました。

フィリピン南部は現在も地元の政治家や大土地所有者の権力が強く、実質的に各地を統治しているのは、こうした地元の権力者です。昨年、フィリピン政府と反政府勢力MILF(モロ・イスラム解放戦線)との停戦協定が破られ、大規模な戦闘に発展したのも、両当事者だけでなく、地元勢力の利害や思惑が絡んだことも一因となっています。この時は、僕もセブに滞在していたのですが、危うく渡航制限によってマニラへの移動が遅れるところでした。

日本ではそれほど大きくは報じられませんが、フィリピン南部の武力衝突は、被害の規模から言えば「内戦」と呼んでも過言ではないという状況にあります。

いつになったらこの地に平和が訪れるのでしょう…。
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by okphex | 2009-12-08 23:39 | 人類学・人文科学