写真関連のニュースと写真ギャラリー,そして文化人類学に関する記事を掲載しています。


by okphex
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現在、S・サッセンの『グローバル・シティ』を読んでいます。
びっしりと配置された文字と、詳細なデータで埋め尽くされた400ページ超の分量を誇る大作です。グローバル化が進む世界を、「都市」という観点から考察する際には、これからも必ず参照される研究と言って良いでしょう。

サッセンが探求しているのは、経済や産業のグローバル化が、都市を具体的にどのような形に変貌させていったのか、です。そしてその一つの答えとしてサッセンが導き出したのは、国民国家の枠内に留まらない、グローバル・シティ同士のネットワークと、その内部で進む産業構造、経済基盤、サービスの絶え間ない集積と、拡大し続ける所得格差でした。

本書が扱っているのは、主に1990年代ですが(初版は1980年代を扱っていました)、その後日本で急激に進行する経済の低迷と、富裕層と貧困層との間の格差の拡大の状況を見事に言い当てています。

「グローバル・シティ」として分析の対象となっているのは、ニューヨーク、ロンドン、東京といった、グローバル化を推進する役割こそ重要ではあるものの、ややくたびれた感のある都市です。昨今の中国の台頭が、果たして中国内にグローバル・シティを誕生せしめたのか、あるいは担い手の面子にはあまり変化が生じていないのか、サッセンの考察を知りたいものです。
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by okphex | 2010-01-31 20:04 | 書籍
最近、文章を打ち込むアプリケーションとして、EvernoteではなくGoogleドキュメントを使っています。どちらもオンライン上で文書を作成して保存・共有することが出来るサービスですが、Googleドキュメントの方を選んだ理由は、テンプレートの豊富さにあります。僕の好みは、黒地に緑色の文字という組み合わせなのですが(ちょうど映画「スタンド・バイ・ミー」で主人公の作家が使っていたワープロのレイアウトに似ています)、Evernote は背景や色の選択や使い勝手が快適とは言えないのです。

一方Googleドキュメントは、フォントの色指定こそ制限されていますが、テンプレートが豊富なため、大抵のリクエストには応えてくれます。例えばこの文章を打ち込んでいるのは、Googleドキュメントに「Green-Darkroom」というテンプレートを使ったもので、ブラウザを全画面表示にすれば、画面は黒い背景と緑色の文字で占められるため(しかも左右にはマージンが設定されているため、あまり詰まった印象は受けない)、文章入力に集中することが出来ます。これでEvernoteのように、オフラインでも変わらない使い勝手があればかなり完成に近づくのですが(オフラインでもGoogleドキュメントを使用できる"Gear"という機能はありますが、オフライン用にPCに保存したファイルを読み込ませる際に時間がかかるなどの問題があるのです)。
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by okphex | 2010-01-30 09:29 | News-そのほか

podからpadへ。

アップル社が先日発表した新製品は、デジタルデバイスの新たな分野を切り開きました。
アップル社の「iPad」紹介ページ
この製品は、9.7インチ液晶がほぼ筐体全面を覆ったデジタル情報端末で、さしずめ「iPod」の大型版と言えるでしょうか。
アプリケーションも「iPod」用に開発された140,000ものタイトルを使用することが出来ます。
WiFiや3Gを使った通信機能で、メールの送受信、インターネットのブラウジングを行うことができるのはもちろんのこと、接続キットを使用すれば、SDカードやUSB経由で、デジタルカメラの画像を転送することが出来ます。
個人的には、「iPad」の、この画像転送機能がもっとも待望していた機能です!「iPod」「iTouch」では不可能な機能でしたからね~。
価格は499ドル(約4.5万円)と、値頃感もかなりのものです。
日本での販売が待ち遠しいですね!現在のところ、3月発売予定だそうです。
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by okphex | 2010-01-29 10:40 | カメラ・写真情報

言葉の違いを楽しむ。

フィリピンで調査をしていた頃、自己紹介をする際に、どうも現地の人は僕の本名が馴染みのない言葉であることと、名前の「ユタカ(Yutaka)」が、どうも発音しづらい音の組み合わせであるらしいと言うことに気がつきました。

そこで、名前をやや縮めて、「ユタ(Yuta)」と呼んで下さい、と言ったところ、多くの人はすんなりと僕の名前を覚えて下さいました。

ところがある日、ある男性に上記のような形で自己紹介したところ、たちまち顔色が変わり、「その言葉は、うちの地方では、公に口に出せない言葉だぞ…」と言われました。どうも一種の猥褻な言葉だったようです。ショック…。僕の名前はあまり参考にならない事例ですが、日本の言葉が別の国や地域では、別の意味に変化する、と言う事実は興味深いですね。

僕の名前は極端な例だとしても、言葉の意味の違いを確認しあう、というのは、案外言語が異なる方とコミュニケーションをとる良いきっかけになるかも知れません。例えば日本語なら不吉な意味の「過労死」は、ドイツ語では「カロウシ」という言葉の響きが美しいと言うことで、お店の名前に使われたりしているそうです。また、フィリピンの人気スナックに、「オイシイ」とか「イイアジ」というものがありますが、これは現地の言葉の意味が関わり合うことなく、日本の言葉がそのまま定着した例ですね。

他にもこうした例がないか、探してみたら面白いでしょうね。
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by okphex | 2010-01-28 06:27 | 人類学・人文科学

「書く」工夫。

僕は昨年の8月まで、大学院で専攻している文化人類学の現地調査(フィールドワーク)のために、研究対象としているフィリピン共和国のマニラ首都圏やセブ島周辺に滞在していました。といっても、日本で仕事を抱えている都合上、文化人類学のフィールドワークで一般的に行われているような、現地に1年以上べったりと貼り付く調査ができる訳もなく、日本とフィリピンの往復をくり返すといった形を取らざるを得ませんでした。

それでも何とか、調査期間と定めた1年半の間に、不十分とはいえある程度の情報や資料を収集しました。現在は一本の研究成果にまとめるために、こうした資料の整理を進めています。

資料整理の一環として、現地で得た幾つかの主要な事例を書き下すという作業を行っているのですが、フィールドノートに記録しているとはいえ、現地で見聞きしたものをつぶさに記述し、分析するのはなかなか骨が折れる作業です。

フィールドノートを一言一句清書したり、膨大なインタビューの音声を文字化しようとするのですが、目の前に積み上がった資料の分量を見ただけでも、やる気がたちまち喪失していました…。

ところが、僕の窮状を見かねた指導教官のアドバイスで、急に筆が進むようになりました。

そのアドバイスとは…、

1.書き下す時にフィールドノートは見ない。重要な事例なら必ず頭に残っているはず。記憶違いを恐れず、何が印象に残ったのか、その時どのような情景だったのかを、思い出せる限り全て文字にする。

2.通常の本文は、1.に示した、事実の記述として用い、併せて”この時僕はこう思った”とか”別の人はこのことについてこんな事を言っていた”、”この状況からは、こんな事が言えるのではないだろうか”といったような、本文である記述の部分について、別の角度から検討したり、分析を加えた文章を、インデント、あるいはタブを使って、本文とは分離した形で記述する。

(※)上記の記述方法を図式化すれば、下記のようになります。
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□←本文(事例の記述)

□□□□□□□□
□□□□□□□□←インデントされた行(事例の分析)

□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□←本文(事例の記述)

3.こうした核となる事例を幾つか書いてみて、それぞれの事例がどのように関係しているのかを見つけ出す。この段階で、正確に事実確認が必要な部分に限って、フィールドノートやインタビューの音声データを参照にする。

といったことです。上記の情報は、日常生活を送る上であまり役立つような技術ではないかも知れませんが、人文学系の研究に勤しんでおられる学生さんや、記事やプレゼン資料などを執筆するために日夜資料と文章に格闘しておられる方に少しでもお役に立てればと思い、書き連ねてみました。
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by okphex | 2010-01-27 10:45 | 人類学・人文科学
昨日ご紹介した「HIROSHIMA Photo-1 GRANDPRIX」というイベントですが、主催者の方から、イベントのプログラムについての追加情報を頂きました。

イベント当日の内容
・第1部・語るフォトコン
・第2部・写真家&コピーライターの方によるフォトトーク
 松浦和之さん×naoさん×角田雅子さん(コピーライター)

・第3部・来場者の方全員による交流会

の3部構成となっています。
写真を応募される方はもちろん、観覧も大歓迎だと言うことなので、興味のある方はふるってご参加ください。

このイベントの公式ブログもありますので、より詳しい情報をお知りになりたい方は、こちらへどうぞ。
フォトワングランプリ開催までのキセキ
イベント開催前夜の高揚感を感じますね。是非とも成功してほしいと思います!
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by okphex | 2010-01-26 23:57 | News-写真展

HIROSHIMA Photo-1 GRANDPRIX

広島の面白そうな写真イベントをご紹介します。

「HIROSHIMA Photo-1 GRANDPRIX(ヒロシマ フォトワン グランプリ) ~LOVE☆HIROSHIMA 深イイ写真NO.1コンテスト~ 」
という催しで、一般から公募した、広島の良さや魅力を伝える写真の中から、8名程度の入選者を選出し、写真に込めた想いや情熱を語ってもらう、という内容です。

日時や会場などの概要ですが、
日時:2010年2月11日(祝)13:30~17:30
場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 6階 マルチメディアスタジオ
定員 :100名
参加費:無料
となっています。

応募の方法やより詳しい募集要項については、
こちらの案内(pdf)をご覧下さい。

広島の魅力を写真で表現するだけでなく、「語る」ことができるという点が興味深いですね。
これは、と思う写真をお持ちの方は、1月31日(日)の締め切りまでに是非とも応募しましょう!
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by okphex | 2010-01-25 11:44 | News-そのほか

トルコデー。

今日は思いがけず、トルコの料理をご馳走になってきました!
トルコでは、Yeni Raki(現地では”ラク”と発音するそうです)という、スピリッツ系のお酒が”国民酒”だとのことで、早速賞味してみました。無色透明で、見た目はジンやウォッカを彷彿とさせますが、味わいは、ややハッカのような甘みがあります。ストレートで飲むとこの甘さがやや気になる人もあるかと思います。
スピリッツ故のアルコール度数(37~40度)とこの味わいを和らげるためか、トルコではこのお酒を水やソーダと1:1で割って飲むそうです。面白いのは、水やソーダと混ぜるとお酒が白く濁ることです。お酒に含まれる成分が反応するようですね。

また、トルコでよく飲まれているチャイや、トルココーヒーも味わってきました。トルココーヒーは、作り方も味わい方も日本のコーヒーとはやや異なっていて、こうした作法も楽しみました。
写真を撮っておけば良かった…。
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by okphex | 2010-01-24 23:57 | News-そのほか

”都市”の捉え方。

昨日まで、T・ベスターの

『築地』

テオドル ベスター / 木楽舎

を読み、今日からS・サッセンの

『グローバル・シティ―ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』

サスキア サッセン / 筑摩書房

を読み始めました。

『築地』は、世界最大の水産物卸売市場である築地の魚市場がどのようなメカニズムの元に動いているのかを、長年の実地調査から考察した大著です。

一方サッセンの『グローバル・シティ』は、経済・政治のグローバル化の進行の過程で、幾つかの都市が、グローバル化を推進する機能を備えた都市として、どのように資源と情報を蓄積し、互いに密に連携し合っているのかを考察した、こちらも大著です。

『築地』は魚市場という極めて限定された場を主題とし、一方『グローバル・シティ』は、幾つかの都市に考察の主軸を置いているとは言っても、地球規模の、極めて大規模な資本の流れを扱っており、両者は極端に視点の異なった研究であるように思えます。

でも、この二つの著作はどこかで繋がっているような気がするんですよね。その繋がりが発見できるといいなー、と思いつつ、更に読書を続けていきます。
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by okphex | 2010-01-23 23:08 | 人類学・人文科学

SDカードの新規格。

本日大学の先生と会話をしていて、新しく購入するデジタルカメラの話題になりました。
最近はコンパクトなデジタルカメラではSDカードが主流ということで、二人でカタログを見ていると、16GBの高速転送カードでも、製品によっては数千円程度で手に入るということに驚きました。
と思っていたら、パナソニックが「SDXC」という新たな規格を発表しました。
この規格であれば、最大容量が2TBまで拡張できるようです。
あんな小さなカードに、と思うと想像を絶しますね。ビデオカメラと同様、いずれPCの記録機器も、ハードディスクからSDカードに置き換わっていくかも知れませんね。
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by okphex | 2010-01-22 23:58 | カメラ・写真情報