写真関連のニュースと写真ギャラリー,そして文化人類学に関する記事を掲載しています。


by okphex
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ:書籍( 39 )

会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)

岩井 克人 / 平凡社


岩井先生の論考は、本書や『貨幣論』が示すように、平易な文体でありながら経済学と言った学問領域の枠を超えた深みがあります。
産業革命以降の資本主義の主要形態であった産業資本主義と、IT技術並びに経済のグローバル化に特徴づけられる現代のポスト産業資本主義とは、「差異(新しさ)」が価値の基準となっているという点において基本原理に全く変化がない[本書 238-239]、という洞察の明快さには眩暈を覚えました。
[PR]
by okphex | 2012-07-26 00:42 | 書籍

ちいさなちいさな王様

アクセル ハッケ / 講談社


なかなか面白かった本。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (角川文庫)

フィツジェラルド / 角川グループパブリッシング

と少し似ているけど、絶妙に異なった切り口から、人の「成長」の意味について問いかけた童話(哲学書?)です。
[PR]
by okphex | 2011-05-13 22:28 | 書籍

英語論文に使う表現文例集

迫村 純男 / ナツメ社



現在訳あって、毎日英文を書いています。習慣とは恐ろしいもので、稚拙でも毎日書き続けていると、少しづつ書く速度も、表現方法も向上してくるようです。
文章執筆の上で大いに参照させて頂いたのが、上記の本です。単なるフレーズ集ではなく、公的な英文の書き方、そして表現の意味などがとても詳細に、そしてわかり易く説明されていて、論文執筆だけでなく、読者に納得してもらえるような文章ならおよそどんな種類の英文にも必要な基礎知識が身につきます。英文を書く機会が多い人には、かならず役立つ本であると思います。
[PR]
by okphex | 2010-11-11 22:15 | 書籍

『クラブの人類学』

綾部恒雄著『クラブの人類学』を読了しました。
綾部先生は各地の自発的集団、いわゆるアソシエーションや、クラブ、そして結社について長年関心を寄せられていて、さまざまな著作を著していますが、この文献はこうした研究の概略を述べたものと言えそうですね。クラブやアソシエーション研究に関心のある方には、是非ともお薦めしたい基本文献でした。
[PR]
by okphex | 2010-11-05 22:12 | 書籍

The Filipino martial arts

現在、出張と自分自身の学会発表での準備に追われて、色々な作業が滞っています…。
僕が研究で参照にしている、フィリピン武術の研究書"The Filipino martial arts"(ダン・イノサント著)は、現在絶版でなかなか手に入らない文献のようですね。
もし読みたい方がおられましたら、お貸ししますよ~、とこのブログで言ってもほとんど反応なさそうですね~。
[PR]
by okphex | 2010-11-04 21:54 | 書籍

『9条どうでしょう』

9条どうでしょう

内田 樹 / 毎日新聞社



政治的な文脈で常に議論の対象となっているにも関わらず、未だに結論の出ていない「9条問題」に、複数の論者がそれぞれの角度で切り込んだ論集です。

ただしここでは、「9条を守るべきか否か」という直接的な問題以上に、”この問題には万人が納得し得るような解は存在しない”という前提をまず認識し、その上で根本的な解が存在しない問題を政治的に議論するためには、まずは現在行われているような直情的な議論ではなく、クールな状況分析こそが必要であるという、議論のあり方についての根本的な部分を問題にしているような気がします。この「クールさ」を失ったときに、知性の不調が始まる、というのが、内田樹氏の最近の議論の基調となっているように感じました。
[PR]
by okphex | 2010-10-28 19:40 | 書籍
本日は長崎の代表的な史跡である、グラバー園を訪問しました。
この高低差の結構ある敷地は、明治初期に活躍した、スコットランド出身で後に日本で生涯を送ったトーマス・グラバー氏の邸宅でした。
グラバー氏は、幕末から明治にかけて、西洋式の武器の流通や鉄道敷設など、日本が近代国家としての道を歩み始める道を拓いた人物とされています。
キリンビールや三菱財閥の発展にも大きく寄与したのだそうです。
さらに、歌劇『蝶々夫人』のピンカートン氏のモデルともなりました。ただし、実際のグラバー氏は妻を裏切ることなく、終生を日本で送っています。

僕はグラバー氏の経歴を見ると、歴史上の偉人聖人よりも、むしろ映画『ラストサムライ』の大村の外国人版といったような、少々生臭い人間像を想像してしまいます…。

こんな波乱万丈の人生を歩んだ人物だから、その評伝も当然あるだろうな~、と思っていたら、案の定ありました。
『トーマス・グラバー伝』(Amazon)

グラバー氏は、かの坂本龍馬が興した日本初の株式会社「亀山社中」とも取引があったとのこと。『龍馬伝』のサイドストーリーとして読んでも面白そうですね!
[PR]
by okphex | 2010-10-21 23:15 | 書籍

人生の「神話化」

Filipino Martial Culture (Martial Culture Series)

Mark V. Wiley / Tuttle Pub



上記の文献は、アメリカの武術研究者、ワイリー氏による、フィリピン武術の詳細な研究書です。フィリピン武術と言われてピンとくる人は少ないでしょうが、二本の棒を使う護身術で、ブルース・リーの映画や、『ボーン・アイデンティティ』という映画に登場したことがあります。
僕の研究に深く関わる対象であるため、日本ではほとんど知られていないこの武術の研究書を読んでいるのです。

この本では、フィリピン武術の歴史、使用する武具のバリエーションなどを紹介していますが、何と言っても面白いのは、後半の「マスター」と呼ばれるフィリピン武術の師範の語りです。武術家としての背景として、戦争体験や移民先での苦境などが述べられています。一つ一つはとても個人的な物語ですが、それらが統合して、「フィリピン武術の現代史」とでも呼べるような大きな物語の構造が浮かびあがってきます。身体技法の実践と、自らについての語りを通じた、一種の「神話」が紡ぎ出されているかのような感覚を抱きました。
[PR]
by okphex | 2010-10-14 08:23 | 書籍

『死闘の本土上空』

現在、『死闘の本土上空』(2001 渡辺洋二著)という本を読んでいます。

死闘の本土上空―B-29対日本空軍 (文春文庫)

渡辺 洋二 / 文藝春秋


普段はあまり戦記ものは読みませんが、この本のように、旧日本軍の作戦や敗戦の過程を、組織論や技術論の観点からとらえた著作は時折読むことがあります。そこで描かれている、「敗戦」という最終的な崩壊に至る原因追求や、その崩壊を食い止めようとする人々の苦闘からは、かならず様々な教訓が得られるからです。

本書が主に扱っているのは、これまであまり研究されていなかった、太平洋戦争時における日本本土の防空体制とその作戦についてです。日本軍が旧弊の用兵観念や情報・資材の欠乏に常に悩まされながらも、本土防空戦の当初は、「超空の要塞」B-29に対してすら、健闘していたことなど、様々な新たな発見がありました。

厚みのあるページ内には、日米の動向がかなりの情報量を持って綿密に描かれており、その資料性や意気込みに対して、戦記物の最高傑作、『レイテ戦記』にも通じるものを感じました。

それにしても、どれだけ智略を練っても、最終的には物量が圧倒する戦争に対する虚しさは、読み進むごとにますます増してきます…。
[PR]
by okphex | 2010-10-07 16:59 | 書籍

『谷川俊太郎質問箱』

詩人の谷川俊太郎氏が、糸井重里氏の「ほぼ日刊イトイ新聞」の企画で行った、質問コーナーの内容をまとめたものです。

谷川俊太郎質問箱

谷川 俊太郎 / 東京糸井重里事務所



詩人の言葉ということで、流麗な文体や巧みな言い回しを期待していたら、良い意味で裏切られました。谷川氏は言葉以上に、気持ちが熱い人ですね。真剣な悩みには真剣に答え、少々自分に甘えているように思われる質問には、「自分で考えろ!」と一喝しています。
回答の内容などについて、糸井氏は谷川氏に一任しており、読者と谷川氏との文章を通じた交流がどのような展開をみせるのか、全く未知数だったそうです。その意図は、谷川氏によって十分に豊かなものとなっています。
[PR]
by okphex | 2010-09-30 07:03 | 書籍