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by okphex
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家族の記憶。

昨日は、久しぶりに3年前まで住んでいた、広島市の東雲という地域を訪れました。
ここは僕が生まれ育ったところで、まさに故郷の「原風景」とも言える場所です。

広島市は、ご存じの通り1945年の原爆投下により大部分が壊滅しましたが、東雲とその西の段原地域は、比治山という小さな山に爆風と放射線が遮られて、町並みの殆どが残存しました。僕が幼少の頃も、戦中の区画がそのまま残っていて、車が通るには狭すぎる車道を縫って、友達の家や空き地に遊びに行ったものです。

数年前から始まった再開発工事によって、それまで残っていた旧家や街路の大部分はその姿を消しました。久しぶりに訪れた東雲は建物よりも更地が目立ち、こんなに空が広かったのか、と驚いたほどでした。
区画整備から外れた地区には、僕の親戚が住んでいて、本日はその親戚を訪ねていったのでした。

以前はよく我が家までおかずを持ってきてくれたおばさんもすっかり白髪となり、足腰が弱って椅子に座ったままでした。別のおばさんは、今も残る柿の木に、僕がよく登って遊んでいたものだ、と懐かしそうに話していました。

兄弟の殆どを戦争でなくした祖父が、中国から復員してこの地に居を構えて以来、僕の家族は長い時間を過ごしてきました。その家も今は取り壊されて、コンビニの駐車場になっています。

わずか車三台分のスペースしかない家の跡地を見て、多くの想いでのある我が家はこんなに狭かったのか、と改めて驚きました。懐かしい柿の木が、僕が住んでいた場所の確かな証として、今もそこに佇んでいました。
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by okphex | 2010-02-14 23:16 | News-そのほか