■写真ニュース04/03/22
2004年 03月 22日
デジタルカメラ市場は依然拡大を続け,カメラの祭典フォトエキスポ2004でも,華々しい話題をふりまきましたが,関連企業すべてがその恩恵に浴している訳ではなさそうです。
代表的なメーカーであるキヤノン,ニコン,ソニーは,そのブランド名や,普及機からハイエンド一眼レフまでの幅広いラインナップを維持できる販売力と高い技術力に支えられて,来期も依然強気の見通しを崩していません。
しかし,その他の多くのメーカーは,厳しい状況にさらされています。
富士写真フイルム,オリンパス,ペンタックスさらには,先日お伝えしたコニカミノルタのニュースのように,デジカメ市場で確固たる地位を築いていると思われていた企業ですら,販売計画の見直しや縮少を余儀なくされています。
これは,デジカメの全体の出荷台数はいぜんとして伸び続けてはいるものの,価格・技術競争の激化や,それに伴う新商品投入のサイクルの短期化によって,技術力,販売力,資本力全てに卓越した企業以外は,利益を上げることが難しい状況となっているからだと思われます。
こうした状況下で今後も競争力を維持しつづけるためには,機能面だけではなく,高付加価値を持った製品開発やラインナップの絞込みによって,他ブランドとの差異化が求められることになりそうです。
写真業界の他の分野に目を転ずると,メーカーとユーザーを結ぶ中間的存在,小売業者や御売業者は,さらに苦しい状況に立たされています。
カメラ関連製品の老舗小売店「カメラのドイ」の破綻は,世間的には一番インパクトのあるニュースでしたが,あまり表立っては変化がつかみにくい,写真製品の流通業界においても,老舗や大手企業の事業からの撤退や経営統合を決断する事例が数多く見られます。
これらはフィルムカメラ部門の市場規模の縮小に伴うフィルム,感材などの売上不振による打撃も原因の一つですが,先程も書いたように,厳しい価格競争にさらされているメーカー各社が,事業のスリム化を図るために販売チャンネルの絞り込みを行っている事も大きな要因です。
こういった動きは,不景気やリストラとは別の,構造的な変化に伴うものだと思われます。この先も安泰な経営を行えるだろうと泰然としている企業は,この業界ではほとんど無いのではないでしょうか。
カメラ付き携帯でも,新技術を投入した新製品が次々と登場しています。サムスン電子の「SPH-V4400」や,Sony Ericsson Mobile Communications ABの「S700」といったメガピクセルデジカメ付き携帯電話が発表され,台湾DBTEL Inc.も,2004年中に130万画素のデジカメ付き携帯電話機を発売する意向を明らかにしました。
こちらの分野は,しばらく急激な技術発展と新製品ラッシュが続きそうです。日本市場よりアジア各地の市場の方が最先端の機能を搭載した携帯電話が数多く発表されているような気がするのは,気のせいでしょうか。
by okphex
| 2004-03-22 18:27
| カメラ・写真情報