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ゴッホの渦巻き模様。

Van Gogh painted perfect turbulence. 2006. In news @ nature.com.

ゴッホは、ポスト印象派を代表する画家です。彼の作品は、今でこそ莫大な価格が付けられていますが、生前の彼は悲惨な生活を送ったといわれています。精神的な不安定に悩まされて、自らの身体を傷つけ、最後には銃で自殺してしまいました。

そんな彼の苦しみが、作品には現れています。特に後期の彼の作品には、なぜか渦巻き状の特徴的な模様が描かれています。『星月夜』(1889)の空、『糸杉のある道』(1890)、『カラスのいる麦畑』(1890)などにその模様を見出すことが出来ます。

絵画を科学的に分析したところによると、これらの模様は、輝度の同じ絵の具の細かな点を一定の間隔で配置して描かれており、さらにこれらの点の配置には、ある一定の規則性が見出せるそうです。そして、その形状は、ロシアの数学者コルモゴロフの乱流理論に類似しているらしいのです。なぜゴッホがコルモゴロフ理論に則った渦巻きを描くことができたのかは不明です。しかし、画家の中には、同様に数学の定理に則った図形や構成がその作風の中に見出せる人もいるようです。

流体の定理は、単に自然現象を説明するだけではなく、人間の精神状態が知覚に与える影響を説明するかもしれません。ゴッホの渦巻きは、彼の精神が極度に不安定な状態におかれた時期の作品に登場するそうです。確かに、自傷行為に及んだ後に、精神的に落ち着きを取り戻した状態の時に描かれたといわれる、『耳を切った自画像』(1889)には、渦巻き模様は描かれていません。

流体を知覚するという彼の得意な感覚は、極度の精神不安定と引き換えに得られた才能だったのかもしれませんね。画家の才能を開花させるには、なんと過酷な条件が課せられるのかと考えずにはいられません。

<付記>
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by okphex | 2006-07-08 18:04 | 人類学・人文科学