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by okphex
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ディスプレイの前の"失われた都市"

Handwerk, B. "Lost City" Explored Using High-Speed Networks. nationalgeographic.comより

大西洋の深海に沈む"失われた都市(Lost City)"の謎の解明に挑む探険隊…。とはいっても、伝説に彩られたアトランティス大陸の都市の事ではありません。"失われた都市(Lost City)"とは、光の届かない深海で、海底火山の熱とメタンガスなどが作り上げた奇妙な光景と、多様な生物種が生息する地域に付けられた名称です。



科学者のチームが、深海探査船を使って、この地域の調査を行いました。
そして調査の様子は、リアルタイムで海上の調査船に送られ、作業を指揮する科学者が、次の作業内容を指示したり、得られたデータの分析を行いました。

ここまでは、海底に沈むタイタニック号の調査などでおなじみの光景でしょう。大きく異なるのは、参加している調査者の数です。

とはいっても、狭い調査船に科学者がきゅうじゅうに押し込まれているわけではありません。
深海から送られてくる画像やデータが、調査船を経由して世界中の科学者のもとに送られるのです。衛星や、高速インターネットなどの通信技術の発達が、膨大なデータを世界中へ伝達することを可能にしました。

これなら、研究チームが事前に予期しなかった発見があったり、不測の事態に陥っても、世界中の大勢の科学者が適切なアドバイスを行えます。遠征費用の削減にもなるし、なによりも大きな利点は、科学者は狭くて揺れる船室ではなく快適な環境で存分に研究に打ち込めるのです。

ある研究者などは、調査地から7000キロも離れたシアトルのワシントン大学で、調査に参加しました。レーニエ山の雄大な景色を眺めながらディスプレイで海底探査を行うなんて、さぞかし奇妙な感覚に陥ることでしょうね!

この海底探査で用いられた方法は、単に研究者同士の連絡に使われるだけでなく、博物館や図書館の展示に使われたり、子供達に対する科学教育に使われるなど、様々な活用方法が考えられます。

ちなみに、Immersion Presentsというホームページでは、子供達のためにこの海底探査の様子が紹介されています。
現在は、リアルタイムで調査を見ることは出来ないようですが、写真を見ただけでも、奇妙な深海の様子にわくわくしてきます!

調査内容も面白そうだけど、時にはこんな調査の裏側を見るのも楽しいですねー。

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ありがとうございました。
by okphex | 2005-08-17 10:27 | 人類学・人文科学