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by okphex
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安佐南区緑井墓苑の被災状況について。

8月20日の豪雨、土砂災害以来、多くの方から身を案じる連絡をいただきました。
ありがとうございます。
安佐南区の、被災地からほど近い場所に住んでいましたが、僕も家族も全員無事です。
ただし先祖が眠っていた緑井の墓苑はほぼ壊滅してしまいました。
もしかすると同じ緑井墓苑に墓をお持ちで、状況を知りたい方の目に留まるかも知れないと考えて、僕が見た墓苑の現状を書き記しておきます。
※※緑井墓苑の写真については、下記のアルバムに掲載しています。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.861888657156168.1073741826.100000051241629&type=1&l=7d5b174109
以下、かなり長文になりますので、手短に状況をお知りになりたい方は、アルバムと各写真の説明欄をご覧下さい。※※

土砂災害後、悪天候が続いていた広島でしたが、23日に一時的に晴れ間がのぞいたため、自宅から徒歩で墓苑の様子を見に行きました。普段墓参りの際に利用する道路は、土砂の堆積で車では通れない状態だと聞いたためです。

地元の方に安全な道を尋ねつつ、墓苑への道を登り始めましたが、麓からすでに道路が寸断されており、土石流が穿った巨大な溝を跳び越え、倒木を伝いながら何とか墓苑へ向かう、という有様でした。直線距離で100メートルほど先の墓苑から、この坂の下まで墓碑銘や墓石が流れ着いており、行く手の墓苑の惨状を暗示していました。
近くの神社の裏手にあった小道をつたってようやくの思いで墓苑を見下ろす高台に到達すると、眼前には土砂と倒木しかない空間が広がっていました。ここにかつて数百基の墓が連なった墓苑があったなど、誰にも信じられないでしょう。僅かに二、三十基の墓が、土砂に埋もれ、倒壊しつつも何とか踏みとどまっているのみです。
土石流の吹きだまりとなった場所には、大量の墓石が積み上げられていましたが、おそらく分厚い土砂の層に埋まっている墓石、遺骨の量を考えれば、表面に露出している墓石はほんの一部でしょう。

我が家の墓があったあたりの場所には、巨大な崩落の跡と、蛇行状の土石流跡が出現しており、周囲の景観を全く別のものに変えていました。もちろん墓の手がかりになるような、何の痕跡も残っていません。この「何もなさ」こそが、むしろ土石流の巨大な力を雄弁に物語っていました。
ちょうど墓苑の様子を調べに来られていた住職の話によると、周囲には少なくとも土砂が60センチ堆積し、その上に倒木が折り重なっているそうです。地面はブヨブヨとして心許なく、踏み抜くと一気に足を取られてしまいそうでした。そのため移動は倒木を踏みしだきながら慎重に歩を進める必要がありました。
今後は、まず重機で上部の障害物の撤去をし、その後少しずつ墓石や骨壺を掘り出していく作業を地道に続けていく必要があります。しかし未だに下の道路にすら重機が入れるような状況にはないため、発掘作業を始めるまでに何ヶ月かかるか予想がつきません。

ここを駆け下った土石流に巻き込まれて、何人もの方が亡くなりました。僕が仕事でお世話になっている方の中にも、まだ若いのに亡くなられた方がいます。墓石や遺骨が散逸してしまったことは大きな喪失感をもたらしましたが、亡くなられた方のことを思うと、悲しんではいられないような気持ちになります。
墓石と遺骨の探索と回収は、恐らく今後何年もかかるような、家族挙げての仕事となるでしょう。地道に作業をしつつ、少しでも周辺地域の復興に手をさしのべていきたいと思います。
広島土石流災害の一つの現状について記させて頂きました。長文失礼しました。
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by okphex | 2014-08-24 23:59 | 広島土砂災害