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ポトマック川の異変

nationalgeographic.com「Male Fish Producing Eggs in Potomac River 」より

アメリカ北東部、ウエスト・ヴァージニア州を源流に、ワシントンD.C.を貫いて流れるポトマック川において、ある種類のバスの雄がまるで雌のような行動をとったり、生殖機能が変化して産卵したりという、雌化の現象が確認されました。



この川では以前から、バクテリアや汚染物質による魚類の病変が報告されていました。
この雌化現象も、河川に流れ込む汚染物質に含まれるホルモン攪乱物質の作用によるものではないか、と考えられています。

特に、調査によってコクチバスという魚の雄のうち約半数は、一匹の卵巣と精巣を併せ持つ、両性具有の個体であることが明らかになりました。

魚の種類によっては成長の過程で個体の性が転換したり、両性を併せ持つ事もありますが、この現象はポトマック川以外の地域でも報告され、また通常の状態では性転換を起こさない種類の魚にも変化が起きています。

河川がホルモン攪乱物質によって汚染されている最も大きな原因は、下水処理施設が川に流し込む排水ではないかと考えられています。
そしてこの調査で特に問題となったのは、この河川の汚染は、従来ヨーロッパでも問題とされていた、大量の汚染された工場排水が引き起こしたものではなく、家庭用排水が原因と考えられている点です。

つまり、ホルモン攪乱物質を含んだ薬や化学物質の源は、人間の排出する尿という事になります。これは、人々が日常的に摂取する薬や食品の中にホルモン攪乱物質が含まれている事を示しています。

現在はまだ、より精緻なデータ収集と広範囲な調査の最中のようです。結果がまとまり次第に、早急な対策が行われる事が期待されます。

かなり以前から、汚染物質の「生物濃縮」現象や「内分泌攪乱物質」の脅威は以前から随分指摘されていましたが、現在まで状況の改善は見られず、特に今回の例のように、「生物濃縮」の起こりやすい魚類の汚染は一層深刻になっていますね。

日本でもカドミウム汚染などが大変な社会問題になりましたが、今回のような汚染はすぐに目に付きにくいだけに、より大規模で広範囲な汚染が進行しているのではないか、ととても心配です。

<付記>
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ありがとうございました。
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by okphex | 2004-11-06 09:20 | 人類学・人文科学