『9条どうでしょう』
2010年 10月 28日
政治的な文脈で常に議論の対象となっているにも関わらず、未だに結論の出ていない「9条問題」に、複数の論者がそれぞれの角度で切り込んだ論集です。
ただしここでは、「9条を守るべきか否か」という直接的な問題以上に、”この問題には万人が納得し得るような解は存在しない”という前提をまず認識し、その上で根本的な解が存在しない問題を政治的に議論するためには、まずは現在行われているような直情的な議論ではなく、クールな状況分析こそが必要であるという、議論のあり方についての根本的な部分を問題にしているような気がします。この「クールさ」を失ったときに、知性の不調が始まる、というのが、内田樹氏の最近の議論の基調となっているように感じました。
by okphex
| 2010-10-28 19:40
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