『死闘の本土上空』
2010年 10月 07日
現在、『死闘の本土上空』(2001 渡辺洋二著)という本を読んでいます。
普段はあまり戦記ものは読みませんが、この本のように、旧日本軍の作戦や敗戦の過程を、組織論や技術論の観点からとらえた著作は時折読むことがあります。そこで描かれている、「敗戦」という最終的な崩壊に至る原因追求や、その崩壊を食い止めようとする人々の苦闘からは、かならず様々な教訓が得られるからです。
本書が主に扱っているのは、これまであまり研究されていなかった、太平洋戦争時における日本本土の防空体制とその作戦についてです。日本軍が旧弊の用兵観念や情報・資材の欠乏に常に悩まされながらも、本土防空戦の当初は、「超空の要塞」B-29に対してすら、健闘していたことなど、様々な新たな発見がありました。
厚みのあるページ内には、日米の動向がかなりの情報量を持って綿密に描かれており、その資料性や意気込みに対して、戦記物の最高傑作、『レイテ戦記』にも通じるものを感じました。
それにしても、どれだけ智略を練っても、最終的には物量が圧倒する戦争に対する虚しさは、読み進むごとにますます増してきます…。
普段はあまり戦記ものは読みませんが、この本のように、旧日本軍の作戦や敗戦の過程を、組織論や技術論の観点からとらえた著作は時折読むことがあります。そこで描かれている、「敗戦」という最終的な崩壊に至る原因追求や、その崩壊を食い止めようとする人々の苦闘からは、かならず様々な教訓が得られるからです。
本書が主に扱っているのは、これまであまり研究されていなかった、太平洋戦争時における日本本土の防空体制とその作戦についてです。日本軍が旧弊の用兵観念や情報・資材の欠乏に常に悩まされながらも、本土防空戦の当初は、「超空の要塞」B-29に対してすら、健闘していたことなど、様々な新たな発見がありました。
厚みのあるページ内には、日米の動向がかなりの情報量を持って綿密に描かれており、その資料性や意気込みに対して、戦記物の最高傑作、『レイテ戦記』にも通じるものを感じました。
それにしても、どれだけ智略を練っても、最終的には物量が圧倒する戦争に対する虚しさは、読み進むごとにますます増してきます…。
by okphex
| 2010-10-07 16:59
| 書籍