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by okphex
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フィリピンの選挙制度。

本日はフィリピン研究の報告会に参加してきました。

論題は先日の大統領選に関することで、特にパーティーリスト(Party List)という、日本の比例選挙に似た制度の内容とその効果について論じていました。

選挙制度は僕自身関心があるないようだったのですが、これまであまり集中して勉強することがなかったので、大変面白い発表でした。

今回の大統領選挙は、不正防止と迅速な集計のために、初めて本格的に電子投票を導入しました。ところが、フィリピンでは国政選挙から地方の町長まで、複数の規模の選挙を一挙に行うため、これまでもなかなか記入が大変だったようなのです。それが、今回の電子投票から、投票方式が記名式から選択式になったために、一つの選挙用紙に膨大な数の候補者が記載されることになりました。その結果として 、今回の投票用紙は、スケッチブックの画用紙のような巨大なものとなりました。

それを、投票者自身がファックスのような投票機にかけるのですが、巨大なシートを挿入する際にトラブルが続発したそうです。それで、見るに見かねた係員や他の投票者が、シートの挿入を助ける場面が続出しました。候補者の氏名が丸見えになった状態で…。これじゃあ秘密選挙の意味がほとんどないですね。

以前の選挙では、投票用紙に書かれた紙を係員が一枚一枚読み上げて、それを壁に書き出していました。それを選挙監視人や見物人が、意図的な候補者の読み替えなどの不正が起きないかどうか確認していたのだそうです。人海戦術の、極めてアナログな手法ですが、却ってこの方法の方が投票の信頼性は高いかも知れませんね。
by okphex | 2010-07-28 23:09 | 人類学・人文科学