『変貌する大地』
2010年 07月 16日
現在、ウィリアム・クロノンの『変貌する大地』(1995 勁草書房)という本を読んでいます。
この本では、北米にヨーロッパの入植者が進出を開始した際に、生態系がどのように変化していったのかについて考察しています。
ここで問題となるのは、単なる生物学的な環境変化ではなく、ヨーロッパからの入植者と、それ以前から北米大陸に住んでいた先住民との間で環境の捉え方がどのように異なっていたのか、という認識と、それに伴った環境の操作のありようです。
例えば、先住民にとってバッファローは聖なる意味合いを帯びた動物だったが、入植者にとっては毛皮を得るための資源として映った。さらに先住民にとってバッファローが重要な意味を帯びていることを知ったことで、バッファローを「戦略的」に殲滅することで、結果として先住民を追い込んでいった…、といった動きが描かれます。
非常に興味深い例え話として、誰もが知っている「三匹の子豚」の物語があります。子豚の住んでいる家が藁葺き、木造、レンガ造りと変わっていくのは、まさに入植者の居住環境の変化であるといいます。また、オオカミは、入植者の目から見た、悪しき自然の象徴で、最後は油によって煮られてしまう…、という展開は、大陸に入植している過程を寓話として説明したものだと言います。
環境から生態系の変容を見ていく重要性を教えてくれる一冊です。
この本では、北米にヨーロッパの入植者が進出を開始した際に、生態系がどのように変化していったのかについて考察しています。
ここで問題となるのは、単なる生物学的な環境変化ではなく、ヨーロッパからの入植者と、それ以前から北米大陸に住んでいた先住民との間で環境の捉え方がどのように異なっていたのか、という認識と、それに伴った環境の操作のありようです。
例えば、先住民にとってバッファローは聖なる意味合いを帯びた動物だったが、入植者にとっては毛皮を得るための資源として映った。さらに先住民にとってバッファローが重要な意味を帯びていることを知ったことで、バッファローを「戦略的」に殲滅することで、結果として先住民を追い込んでいった…、といった動きが描かれます。
非常に興味深い例え話として、誰もが知っている「三匹の子豚」の物語があります。子豚の住んでいる家が藁葺き、木造、レンガ造りと変わっていくのは、まさに入植者の居住環境の変化であるといいます。また、オオカミは、入植者の目から見た、悪しき自然の象徴で、最後は油によって煮られてしまう…、という展開は、大陸に入植している過程を寓話として説明したものだと言います。
環境から生態系の変容を見ていく重要性を教えてくれる一冊です。
by okphex
| 2010-07-16 23:13
| 書籍