■写真ニュース04/09/13
2004年 09月 13日
現在、大阪芸術大学博物館において、ブレッソン作品の集大成とも呼べるような写真展が開催されていますが、何必館・京都現代美術館で行われているこの写真展も面白そうです。
"一瞬と永遠が出会う時"という副題が、ブレッソンの作品と、写真そのものを表現していますね。
ブレッソンの写真集ではないのですが、写真家デビッド・ダグラス・ダンカンが、ブレッソンをモデルに撮影した"Faceless"という写真集を持っています。
この写真集は、同じ位置・同じアングルからブレッソンの姿を連続写真のように撮影した写真のみで構成されています。様々な場所や技巧をこらした写真を期待していたので、初めて目を通した時は"なんじゃこりゃ!"と思ってしまいました。
しかし、改めて手にとると、カメラを通しての彼らの言葉にならない言葉が伝わってきます。ダンカンはフィルムが空になるまでシャッターを連続して切り続け、ブレッソンはそんなダンカンに向けて様々な表情を投げかけています。物思いに耽る、芸術家としての横顔を見せた後に、今度はいたずらっぽく笑って撮影するダンカンにカメラを構えたりもしています。
ブレッソンが亡くなった今になって、やっと少しこの写真集の良さに気付いた気がします。全く鈍い感性だなぁと、自分ながらあきれてしまいました。
by okphex
| 2004-09-13 14:49
| カメラ・写真情報